紫式部(ムラサキシキブ)

henri772004-10-21


昨日の台風で、すっかりベランダ周辺の夏の名残は吹き飛んでしまった。紫式部の実が落ち始めたので写真に残しておくことにした。この紫式部を始め、藤やホトトギスなど藤色の花は、色とりどりの花のなかに埋もれてしまわず凛とした存在感がある。古来から日本では紫は高貴な色とされ、記憶のどこかにそれが刷り込まれているのだろうか、他の花と混ぜないで一輪ざしにするのがふさわしい様に感じた。茶花として愛される理由が分かる気がする。ただ、紫ならどんな色でもという訳ではないようだ。フリージアなどの洋花の紫では同じ感情は湧かない。遠い祖先からの記憶を受け継いでいるからかも知れない。

台風の後片付けをする。未練がましく実をぶら下げていた苦瓜とキュウリは止めをさされた様で、殆どしおれてしまった。熟れる迄放っておいた実を切り開いて来年の種を取っておこう。空いたプランタにはエンドウ豆か空豆でも植えてみようかと思う。今年のエンドウ豆は豊作だった昨年とは対象的に貧作だった。多分同じ土で連作したのが悪かったのだろう。調べてみないと何とも言えないが苦瓜の後の土なら育つかもしれない。うまくいけば、来年の春先エンドウ豆を収穫できる。

今晩は仕事で忙しくなるので事務所に戻った時に食べられる様、連れ合いの分と合わせて弁当をつくった。台風の影響で市場には里芋と南瓜くらいしか転がっていない。それで有り合わせのものを使った秋の炊き込みご飯を思いついた。常備してある干エビと貝柱をお湯で戻して、塩蔵してあった豚肉をほんの少し加え、さいころに切った南瓜、里芋だけでは寂しいので、はぜた黒豆と、木耳を戻して加えた。なんだか中華風になってきたので、ちょこっとごま油を足して、塩醤油の加減で炊き上げた。これなら冷めても美味しそうだ。