明日葉(アシタバ)

henri772004-10-20


やっと秋らしく夜は結構冷える様になった。今年の異常な暑さで生き延びていた夏野菜やハーブも流石に生彩を欠いてきた。一人元気なのは明日葉だ。僕の町では潮風があって明日葉の生育に良いらしく、近場の草むら等の所々に自生しているのが見つけられる。最近は健康食品として話題だが、興味がないのか通販で買う健康素材と同じとは思わないのか、いつもこんもり青々と茂っているので、朝の散歩のついでにと時々朝ご飯の青物として採集してくることにしている。ここ数日仕事で詰まっていて外出せず、菜っ葉が不足していたのでちょうど良い。

学生の頃、伊豆諸島を旅した折、民宿で天ぷらやみそ汁で出してもらい、この野菜を知った。島内を散策すると、当たり前の様に道端に群生している。ここらの島では、採集するものであって買うものではないのだろう。だから、今の町に住み始め、草むらにこれを見つけた時は喜んで持って帰った。いまでこそ引っ張りだこで通販まであるが、当時は癖が有るからと食べない人も多かった。僕には、蕗、芹、そしてこの明日葉の独特のえぐみと、独特の香りがたまらない。正に日本の野の味だ。

けだし、この香り、慈しむ様にして楽しみたい。どうも、青汁にして飲むのはいただけない。薬というのなら仕方ないのだろうが、旬の命を食べる楽しみを放棄して錠剤や青汁で飲み込んでしまうのは残念だ。楽しい食べ方は、天ぷら、胡麻和え、おしたし、明日葉ご飯といったところだろうか。中華料理にも相性が良く、肉や魚介類と炒めると、しっかりとした味のコントラストを演出出来て美味しい。今日は久しぶりなので、おひたしにして素の味を噛みしめることにしよう。