杜鵑(ホトトギス)

henri772004-10-22


ススキの穂が立ち、紫式部、萩、そしてこ杜鵑が咲き始めると、秋のしみじみとした感傷が湧いてくる。夏が完全に終わって秋が深まってくる時期にあたるからだろう。もうじき木枯らしが吹き始め、霜が降りて冬の入り口が見えてくる。それまでの短い時間だが、今がいちばん秋らしい時候と言えるかもしれない。マンションの生け垣の隙間から覗く様に咲き始める杜鵑は、何時迄見ていても飽きない。控えめだが存在感のある花だ。しばし庭にへたり込んで観察した後、今年はかなりの本数が出ているので、1本は小さな籠に入った水盤に活けることにした。

昨日台風の後片付けをしたとき、かなりの本数の苦瓜とインゲンの成長しきれなかった実を見つけた。異常な暑さでついこないだ迄花を付け実を設けはしたものの、流石に大きくはなれなかった奴らである。枯れた枝葉を整理しながら集めたら両手に乗るくらいの量が穫れた。何に使おうかしばし悩んだ挙げ句、そのまま刻んで朝食の白粥の仕上がりに放り込むことにした。敢て塩以外の調味をせず、苦瓜の苦みとインゲンの甘みをそのまま楽しもうという趣向である。

苦瓜とキュウリの熟れた方からは、かなりの種が出てきた。来年植えるには充分な量がある。今年は苦瓜を直播きで種から育ててみたのだが、あまり多くの収穫がなかった。開花の時期が遅かったせいだと思う。苦瓜はある程度蔓が伸びないと女花を付けないようだ。やはり僕の町の気候では、温室仕立てで早めに苗を育てておいてやらないと、南国生まれのこの野菜には夏が短すぎるらしい。