フードテクノロジストの料理百科事典

僕の関わったフードプロジェクトで提供した調理手法や食材の情報を発信しています。

古い記事

野菜饅頭/野菜お焼き

最近は、スーパーの流通が多く最初から切り離されてしまっていることが多いけれど、根菜に瑞々しい青葉が付いた状態で売られていることがある。大根、人参、蕪等根菜の葉っぱの部分である。何も言わないと親切に切り落として捨ててくれる?大きなお世話であ…

旧:コールラビ

(うんちく) 地中海北岸の原産で、中国迄伝わりながら、日本ではとうとう定着しなかった野菜である。ドイツ語の名前から想像出来る様にドイツ語圏ではよく使われる冬野菜だ。Kohlはキャベツ、Rabiはカブで、キャベツ蕪という命名。姿は蕪に似ているが、実は…

鍋一つで本格的な湯麺(タンメン)

(うんちく) 冬は、白菜やキャベツが安いし美味しい。でも、少人数の家族では食べきれない。それでも、市場で買った丸ごとの奴は味が深いし断然安い。そんな時に僕が作るスピード料理の1つがこの湯麺だ。冬場に豊富な葉野菜をたっぷり楽しむことが出来る。…

金柑(きんかん)

今年の冬は、喉の風邪が大流行りで、カリンとこの金柑がずいぶんと重宝している。甘露煮にした方は取っておいて、籠にいれて置いておくとちょっとしたオブジェにもなるので、正月はもっぱら枝付きのまま飾っておいて口に放り込んでいた。ビタミンCが豊富な…

水仙(スイセン/narcissus)

水仙はイギリスの国花なのだそうである。厳しい冬が訪れ、木々が枯れてしまい、何もない水辺に凛としてたたずむ水仙をイギリスの人は愛し続けてきたらしい。品種改良され1万数千種もの種類があるそうだ。暖かい時期には地上部を枯らして休眠してしまい、一…

旧:セルリアック

この時期、僕の街の野菜市場にはヨーロッパ原産の珍しい野菜が多く出回っている。元々寒く乾燥気味のところで育つ野菜が多いので、イタリア料理ブームの為もあるが、緑の少ない冬には最適なのだろう。単にレストラン用の珍しい野菜というだけなら、高いし手…

茴香(フェンネル/fennel)

またまた洋野菜だが、関心するほど立派なのが野菜市場に出ていたので、紹介。茴香(ういきょう)という漢方薬で聞く名前の方がピンとくるフェンネルだ。僕の庭にも植わっているので、ここまで育てるのはかなり時間がかかり大変なのが良く分かる。本当に農家…

黒キャベツ(kara lahana/cavolo nero)

洋物が続いて恐縮だが、これも最近イタリア食材ブームに連動してか最近野菜市場で出回っている珍しい野菜。名前の通りキャベツの仲間だが、ちりめんキャベツやブロッコリなど結球しないキャベツと同系列。固くて生で食べるには向かないが、煮るとほうれん草…

旧:萵苣薹(ちしゃとう)

萵苣 萵苣等 ステムレタス

puntarelle(プンタレッレ/プンタレッラ)

年末の野菜市場で珍しい野菜を見つけた。ローマ周辺だけで出回る季節野菜「puntarelle(プンタレッレ)」だ。やはり日本人には発音しにくいのか日本ではプンタレッラの通り名で流通している。日本でもイタリア料理ブームで国内生産しているところがあるとは聞…

野菜カレー(その2)

前の記事で紹介したカレー・ベースを使ってベジタリアン・スタイルの野菜カレーを作ってみよう。野菜の切れ端を用意する。野菜なら大抵のものが使える。例えば、大根、人参、じゃがいも、里芋、ブロッコリー、ごぼう、レンコン、セロリ、キャベツ、アスパラ…

野菜カレー(その1)

常の通りで年末に仕事が溜まってしまい、大分ご無沙汰してしまった。新年から再開。色んな野菜の切れ端が溜まって困ってしまうことはないだろうか?大根や人参のシッポ、ブロッコリの茎、キャベツの芯のところなどである。そんなときは野菜カレーを作ってみ…

牛蒡(ゴボウ)

牛蒡をこれだけ大量に消費するのは日本人だけだそうである。自生地はヨーロッパ、シベリア、中国北部で、日本には自生していないにも関わらず、平安期に渡来して以来、お惣菜の主役近く迄上りつめて、すっかり無くてはならない野菜となってしまった訳だ。元…

赤い大根(ダイコン)

実はこれ大根なのだが、名前がよく分からない。野菜市場では、このところ本当にいろいろな種類の大根が出回っているのだが、売りに来ている農家のおばさんに聞いても皆違うことを言う。買い手が喜ぶので色々作ってはみるのだけど、自分たちも初めての挑戦な…

花梨(カリン)

花梨の実をいただいた。これから喉をやられる季節なので嬉しい。山梨県の知人の庭になったものだそうだ。結構量があるので、常の通りの花梨酒以外に今回はジャムとシロップを作ることにした。花梨の実は近くに有るだけで分かるほど、高い芳香を持っている。…

人参(ニンジン)

僕は人参の葉っぱが結構好きなので、野菜市場に行くと必ず葉がついたモノを丸ごと買う。スーパーや八百屋さんで葉付きが出回らない理由は、葉を付けたままにして翌日に持ち越すと、葉に養分を取られてしまうので、直ぐに切り離して鮮度を保つことが必要だか…

おろ抜き大根(ダイコン)

間引き菜とも言う。台風の影響がまだ残っていて葉野菜が少ないので、これはご馳走だ。抱える程を買っても大した金額にはならない。スーパーに出荷される様なものではないので、朝穫りの農家が店を広げる野菜市場利用の特権の1つだ。野菜を育てたことの無い…

(旧)柿(カキ)

柿の季節になった。昔は、どこの家でも表庭には柿、裏庭には無花果が植えてあったのを思い出す。最近は、産地にでも出かけないと、鈴なりの実をつける見事な木にはお目にかかれなくなった。裏庭の無花果も誰が言い出したのか、縁起が悪いと抜いてしまった人…

salvia microphylla(チェリーセージ)

ベランダの片隅で、ゴールデンウィーク頃からすっかり寒くなるまで非常に長く花を付けて楽しませてくれるのがチェリーセージと呼ばれるこの植物だ。数年前に植えたのだが耐寒性がある様で放っておいても何度も赤い可憐な花を咲かせてくれる。タイトルの学名…

echalote?(エシャレット)

この花をご覧になったことがあるだろうか?居酒屋メニューによくある味噌を付けて食べるあの「エシャレット」の花である。有り体に言うと「らっきょうの花」でもある。というのは、市場でエシャレットと呼ばれているものは、らっきょうを軟白栽培(関東の白…

Saffron(サフラン)

サフランの花が咲いた。何年前だったろうか、サフランの球根というのを見つけて買って来た。それ以来毎年、ほんの数株だがこの季節になると花を付けて楽しませてくれる。姿形は園芸品種のクロッカスににそっくりで、違いは、香料である乾燥サフランを取るた…

艶葉蕗(ツワブキ)

本格的に冬が始まった。冬の入り口にさしかかるといつも決まって一斉に花をつけるのがこのツワブキだ。どうやら寒波が開花の信号になるらしい。だんだん地上から花が消えて行くこの時期に、キク科の特徴的な山吹色の花と艶のある緑が、庭木の根元を力強く彩…

米茄子(ベイナス)

夏野菜の中で、一番最後迄畑で実をつけるのが、茄子だ。町の野菜市場でも11月頃までは露地物が出回っている。最近は農家の方も色々な茄子の品種を研究していて、普通の長茄子に加え、水茄子、丸茄子といろいろな茄子が手に入るので嬉しい。加茂茄子があれ…

春菊(シュンギク)

急に寒くなってきた。今迄何となく冬物を出しそびれていたが、今日は慌ててセータを引っ張りだした。やっと鍋のおいしい季節になった。鍋というと、春菊がすぐに思い当たる。鍋のことを考えながら野菜市場にいって殆ど何も考えずに最初に春菊を手に取ってし…

芋茎(ズイキ)

8月に野菜市場を閉場間際ぎりぎりに訪れた折、大量の芋茎をいただいたことがあった。他に買い物をして帰ろうかと思った時に、「お兄ちゃん、これ持って行きなよ。タダでいいからさ。誰も買ってくれなかったんだよ」声をかけられた。いつもいつも芋茎を買っ…

オレンジズッキーニ

台風の被害は結構大きかった。昨日覗いた野菜市場で農家の方が「売るものがない」と嘆いていた。そんな状態なので、その日の品揃えは、夏の最後に収穫しておいたものを急遽引っぱり出してきたといった様子であった。南瓜、冬瓜と続いたので、今日の献立は別…

冬瓜(トウガン)

ここのところ菜っ葉が高いので、根菜や瓜類を中心に食事の献立を組み立てている。今日は夏に買い込んでおいた冬瓜を割る事にした。収穫から時間が経つと冬瓜の皮はだんだん固くなってくるので、割るのに苦労する。この皮の硬さの故か、このまま3月くらい迄…

赤甜菜(ビーツ)

台風の影響だろうか、野菜市場でも葉野菜が不足気味だ。高い野菜を無理して買うのも嫌なので、しばらくは根菜類を中心に献立を組み立てるつもりだ。今日はビーツが沢山出回っていたので、主役はこれに決まりだ。保存が利くので、いつも量を纏めて買ってくる…

杜鵑(ホトトギス)

ススキの穂が立ち、紫式部、萩、そしてこ杜鵑が咲き始めると、秋のしみじみとした感傷が湧いてくる。夏が完全に終わって秋が深まってくる時期にあたるからだろう。もうじき木枯らしが吹き始め、霜が降りて冬の入り口が見えてくる。それまでの短い時間だが、…

紫式部(ムラサキシキブ)

昨日の台風で、すっかりベランダ周辺の夏の名残は吹き飛んでしまった。紫式部の実が落ち始めたので写真に残しておくことにした。この紫式部を始め、藤やホトトギスなど藤色の花は、色とりどりの花のなかに埋もれてしまわず凛とした存在感がある。古来から日…