puntarelle(プンタレッレ/プンタレッラ)

henri772005-01-03


年末の野菜市場で珍しい野菜を見つけた。ローマ周辺だけで出回る季節野菜「puntarelle(プンタレッレ)」だ。やはり日本人には発音しにくいのか日本ではプンタレッラの通り名で流通している。日本でもイタリア料理ブームで国内生産しているところがあるとは聞いていたが、ここの市場では初めて見た。この農家は、いつも新しい野菜に果敢にチャレンジしていて関心する。近郊農家の強みで、それなりの需要があるらしい。取り寄せると飛んでもない代金をとられるので、こんなに安く手に入るのは嬉しい。

ローマでは冬の決まった時期しか出回らない風物詩になる野菜だ。イタリアなどヨーロッパの食卓を見ていると、最近の日本なんかよりよっぽど旬の意識が強く、スローフードという言葉がの出所がよく分かる。日本でも京野菜には、今でもしっかり旬の意識があるが、グルメを自慢する前に日本料理に一番大切な旬の感覚を失わないで欲しいと思う。さて、このプンタレッレ、水菜の真ん中からアスパラガスが首を出しているかの様な独特の形態をしている。食べてみると明快だが、チコリやエンダイブの系統の味である。学名を見ると確かにチコリの仲間だ。それにセロリの様な歯触りが加わる。イタリア料理がさっぱりして日本人に受け入れられやすいのは、こういう爽やかな味わいのある野菜が多いこともあるのだろう。

ちょっと見には食べ方は分かりにくいが、真ん中のアスパラガス状の突起部分を薄く裂いて使う(僕はもったいないので、葉の部分も使うけど、料理屋で使っているのを見たことはない)。裂いたものを水に放して白髭ネギの様にカールさせてサラダにするのが一般的だ(ローマではこの状態でも売られている)。取り合わせのドレッシングはアンチョビーとニンニクベースのものが定番である。
パスタにしても美味い。平べったいリングイーネやフィットチーネとの相性がベスト。フライパンにオリーブオイルを熱し、ニンニクと唐辛子を熱して香りが移ったら取り出し、ベーコンかハムをかりっとするまで炒める。そこにスライスしたプンタレッレを葉の刻んだところと一緒に加えて炒める、しんなりしてきたら歯触りが残っている間にアルデンテに茹でたパスタを茹で汁を少し加えながら和えて、塩こしょうするだけ。さっぱりして胃にもたれない仕上がりになる。コクの欲しい人は、パルメザンチーズ、アンチョビ、アボカドの刻んだ奴を加えても良い。