冬瓜(トウガン)

henri772004-10-24


ここのところ菜っ葉が高いので、根菜や瓜類を中心に食事の献立を組み立てている。今日は夏に買い込んでおいた冬瓜を割る事にした。収穫から時間が経つと冬瓜の皮はだんだん固くなってくるので、割るのに苦労する。この皮の硬さの故か、このまま3月くらい迄室温で保管しておけるので重宝だ。南瓜と一緒にいつも部屋の隅に転がしてある。オブジェとしてもちょっとしたものだ。冬迄取っておけるのから、夏野菜なのに冬の瓜と呼ぶと聞いた事がある。冬瓜は大きく割ってしまうと保存は利かないので、四角く切り分けた実を下茹して、半量を冷凍に回し、残りの半量を今日の昼食と明日のデザートに使うことにした。

今日は、沖縄風のスープに仕立てることにした。琉球語で冬瓜は「シブイ」と言い、冬瓜のスープは「シブイ汁」と呼ばれて親しまれている。南国にはこの冬瓜と苦瓜がよく似合う。実際、漢方的な効用からも両者とも暑気払いに最適な野菜なのだそうだ。京風に煮含めるのも素敵だが、既に肌寒い時候なので温性の生姜を加えた暖かい献立が嬉しい。

シプイ汁には沖縄伝統のだし汁を使う。豚出汁と鰹出汁を合わせるのがその特徴だ。豚のコクと鰹の上品さが調和して奥深い味わいが出る。この出汁に、生姜と豚の三枚肉の短冊切りを入れてしばらく煮て塩と少量の醤油で調味し、下茹した冬瓜を入れてしばし煮たあと火を止める。このまま一旦冷ますと、冬瓜の中迄出汁が染込んで美味しくなる。食べる前にもう一度暖めて、ニラを散らして出来上がりだ。甘くする味付けもあるが、僕はこちらの方が好み。沖縄料理では、この他にも味噌で煮込むンブシーという料理法も適用出来る。残りの冬瓜はサイコロ状に小さく切り分け、ウコン茶に、蜂蜜と梅酢、ゼラチンを加えて甘くした汁で煮込み、冷蔵庫で冷やし固める。明日のデザートタイムが楽しみだ。