米茄子(ベイナス)

henri772004-10-28


夏野菜の中で、一番最後迄畑で実をつけるのが、茄子だ。町の野菜市場でも11月頃までは露地物が出回っている。最近は農家の方も色々な茄子の品種を研究していて、普通の長茄子に加え、水茄子、丸茄子といろいろな茄子が手に入るので嬉しい。加茂茄子があれば欲しかったのだが、生憎なくて、同じ丸茄子系統の米茄子を買って来た。何で「米」茄子と思っていたが、中国からアメリカに持ち込まれた品種がアメリカで交配され定着したかららしい。そう言えば、しっかりしまった実をしている。向こうで厚くスライスしたものをステーキの様に焼いているのを見たことがある。なるほど、こういう使い方をするなら頷ける。

丸茄子の仲間では、やはり断然加茂茄子が美味しい。米茄子は、比べると、風味や味の深さという点では劣っていて淡白だ。ただ、淡白なだけに色々な素材と合わせると、そのクリーミーな食感を充分に堪能出来る。チーズやトマトをベースとした洋風の料理に使っても、しっかりその味を受け止めてくれる。ギリシャトルコ料理のムサカにも最適だ。今日は和風の献立なので、加茂茄子だったらあっさりしたそぼろあんかけにでもしようと思ったが、コクのある赤みそと合わせて田楽風に調理することにした。

電子レンジを使ったり、じっくり焼く方法もあるが、米茄子は皮が硬く加茂茄子などに比べて実も柔らかく成り難いので、油で揚げるのが一番料理法としては優れている様に思う。半分に割ってたっぷりの油で長時間揚げる。時間が短いと中迄火が通らず箸が通らないので気長に待つことが大切だ。十分に揚がれば皮ごといただける。その間に赤みそに山椒の粉を加え、ちょっとみりんを注して練り上げておく。奇麗な黄金色に出来上がったら皿に盛り、味噌を塗り付けて出来上がり。すくい上げて、とろける様な食感に仕上がっていれば成功だ。