Saffron(サフラン)

henri772004-10-30


サフランの花が咲いた。何年前だったろうか、サフランの球根というのを見つけて買って来た。それ以来毎年、ほんの数株だがこの季節になると花を付けて楽しませてくれる。姿形は園芸品種のクロッカスににそっくりで、違いは、香料である乾燥サフランを取るための農赤の雌しべが3本ぬっと花弁の外側に伸びている点。香料になる部分はこの雌しべの先端のみ、1つの花から3本しか穫れない。高価な筈だ。たまに極端に安いものが海外で売られているが、代用品の紅花類の花なので注意しよう(色が出るだけで香りは無い)。スペインの物と考えている人が多い様だが、その殆どがイランで生産、輸出されている。10日程しか花期がないので、この間は現地の人は総出で収穫するそうだ。僕の花からの収穫はかろうじてリゾット2人前分だろうか。

サフランのリゾット」の作り方は、米を洗って10分程ざるにあけておく。早く洗いすぎるとアルデンテに仕上がらないので、直前に。みじん切りしたタマネギと小口切りした豚肉を手鍋でオリーブオイルで炒め、タマネギが透き通ったら米を入れて一渡り炒め、最後に入れるチーズの塩分を考慮して控えめに塩こしょうする。豚肉に塩豚を使うとコクが出て美味しい。逆にさっぱりと食べたい向きには肉を省略しても良い。サフランを数時間漬けておいた湯と、辛口の白ワインかシャンパン(無ければ日本酒)の混合したものを米の倍量加えて、蓋をしないで弱火で焦げ付かない様時々スプーンでかき回しながら煮る。米が水分を吸い途中で煮汁が足りなくなるので、適時足しながらアルデンテ状態に煮上げる。最後に好みでパルミジャーノチーズとバターを加えて火を止め練り上げれば出来上がりだ。サフランの素敵な香りと輝く様な黄色を楽しむ事が出来る。

サフランの献立で他に秀逸なのは、パエリアやブイヤベース、牡蠣スープサフラン風味だ。サフランの香りを楽しむならブイヤベースが最適だろう。白身魚とジャガイモが何とも言えない色と香りに包まれる。本場のブイヤベースはブイヤベース憲章により作り方が決められている。興味のある方は、フランス語しかないがrecette(レシピ)がhttp://www.bouillabaisse.com/_sommaire.htmlにあるので、挑戦してみたらいかがだろうか。もっとも憲章によると地中海の魚限定とあり、日本では絶対に作れないのだが。