隼人瓜(ハヤトウリ)

henri772004-10-12


高知出身の僕の友人は、この時期になると野菜市場に「隼人瓜」を買い占めに行く。彼の子供時代いつも食卓に上っていた懐かしい味だそうだ。どんな食べ方をしていたのか聞いてみたら、薄くスライスしてイワシの手開きにしたものと和えていただくのだそうだ。また、有名な皿鉢(さはち)料理の下敷にも使うらしい。

下膨れした何とも愛らしい野菜だが、実は日本固有の野菜ではなく南米原産の野菜だという。日本の野菜の様な顔をしていて明治以前には存在しなかった野菜としては、他に「おくら(オクラ)」がある。隼人瓜もおくらも日本料理と相性が良いので、日本固有の野菜だと勘違いしている人が多い。

実はこの野菜、昔狭い庭があった頃、片隅に植えてみたことがある。不思議な植生で、種だけ取り出して植えても発芽しないが、実ごと埋めおいてやると発芽し、手の付けられない程繁殖して沢山の実をつける。それもそのはず、南米では飢饉食として重宝されたという話しを聞いたことがある。

そろそろ漬け物にも飽きたので、今日はサイコロ状にカットして、出回り始めた人参と野菜市場でおまけに貰った収穫遅れの巨大化したキュウリと取り合わせて、サラダにしてみた。