菊芋（キクイモ）

マンションの庭（らしきもの）の片隅に「菊芋」の花が咲いた。花もそうだが、姿形はひまわりにそっくりだ。そういえばひまわりもキク科の植物だった。
背が高く葉っぱや茎の容姿もひまわりと良く似ているので、最初に生えてきた時はてっきりひまわりだと信じ込んでいた。ところが、つぼみはあるのに夏の盛りを過ぎて秋に入っても一向に花が咲かない。いぶかしがっていると１０月に入ってから花が開き始めた。花もひまわりより大分小型だ。よくよく考えてみると前の年に野菜市場で買ってきて食べた菊芋の余りを、すすめられてその場所に埋（い）けておいたのを思い出したのだった。
花の時期で無いと分かりにくいが、この菊芋、注意していると日本でも結構あちこちに群生している。花が終わると根っこが収穫出来るので、楽しみにしている。
最近は日本でも少しずつ出回る様になったが、もともと西欧で流行っていた。１０年ほど前、出張でヨーロッパに滞在した折、知人の若い娘さんが、ショウガの根の様なものを朝食に頬張っていた。貰って食べさせてもらうと、ジャガイモともサツマイモとも違う不思議な味だ。けど意外といける。話しを聞いてみると、若い娘さんの間で、ダイエット食として大流行りだそうで、カロリーが殆どないから、ジャガイモの好きなヨーロパ人がお腹一杯食べても太らないそうである。
野菜市場で、数年前にこの菊芋を見つけてそのときのことを思い出して嬉しくなって買い込み、それ以来のファンになった。天ぷらや漬け物にしても美味しいが、蒸かして食べるのがお気に入りである。なんたって太らないというのが良い。