野の花(10月)

henri772004-10-17


仕事が山の様に溜まり、カリカリしていたら、僕の邪魔をしないよう散歩に出ていた相方が、野の花を摘んで来て、花瓶に無造作に放り込んで目の前に置いてくれた。この心使いはありがたい。気晴らしに散歩に誘われたのを断って暗がりで根を詰めて仕事をしていたので、気を使ってくれたらしい。窓を開け放つとまた台風が迫っている様なのだが、僕の街はすっかり秋晴れ。涼しげな風が吹いて、野草が微かにそよいでいる。
さて何を摘んできてくれたのだろう。しばし仕事を中断して鑑賞を始める。紫色に色づいているのは野葡萄(ノブドウ)だ。こちらは山葡萄と違って食用にはならない。薬として使うそうなのだが、まだ試してみたことはない。あとはイヌタデ、これはどこにでも生えている草だけど、名前に似合わず可憐で好きな花だ。まだ花が咲いていないが青い穂の様なつぼみは仙人草だろうか。小さな松かさの様なのは針葉樹の実らしいが、名前は知らない。この季節の茶席の定番ホトトギスも入っている。秋の印をプレゼントされたようで嬉しい。
帰りに、野菜市場で出回り始めた白菜を買ってきたとのこと。いつもは僕が料理をするのだが、今日は仕事で手が離せないので、久しぶりに相方に甘えよう。得意の餃子を皮から作ってくれるそうだ。夕飯が楽しみだ。